今回は久しぶりに制作したファイアーエムブレムのイラストをご紹介します。
FEH第9部の主人公とも言えるルーンを、「神殺しの右腕」という二つ名で登場することを想像しながら FEH の新英雄紹介動画風に描いてみました。
ルーンの最も印象的な特徴である右腕を象徴するような構図で描きました。漆黒の皮膚を突き破るように筋張った筋肉が露わになり、指先には鋭利な爪が伸びています。まさに人ならざる者の手、鬼の手のような禍々しさを表現しました。
禍々しいルーンを描きたくなった背景
9部のストーリーを見ていて、気になったことがあります。
メインビジュアルに描かれるアルフォズルが左目付近の窪んだ仮面をかぶっていること、そして彼が自身で記したはずの「黄昏の詩」を読めるルーンの知を独占しようと狙っていることです。
更に、ルーンの攻撃絵は、その異形の右手で魔道書から目玉のようなものを取り出しています。
これらの要素から、ひとつの仮説が思い浮かびました。
アルフォズルはかつて、ルーンの右腕に宿る力によって左目を奪われ、同時に知識も失ったのではないか。それによって、自身が記した「黄昏の詩」すら読めなくなってしまったのではないか。代わりにルーンは創世の文字を読めるようになり、黄昏の詩を解読できてしまったのではないか。
そんな妄想を膨らませながら描いたのが、今回のルーンです。ルーンの右腕に宿る神殺しの力は、天の王であるアルフォズルですら恐れをなすほどの脅威。その力が制御を失い暴走したとき、ルーンは魔獣と化し、再びアルフォズルに牙を剥くのではないか――。
少し妄想が飛躍しすぎたかもしれませんが、そんな展開も十分にありえると思わせてくれるのが9部ストーリーの魅力です。
ルーンの右腕に秘められた真の力、ロキの策謀、そしてアルフォズルの本当の狙い。9部後半でどのような展開が待ち受けているのか、今からとても楽しみですね。