Web上で公開されている 『ファイアーエムブレム Echoes もうひとりの英雄王』インタビューの内容を箇条書きでメモしたページです。
インタビュー前編
URL: https://www.ndw.jp/post-1668/
- 覚醒以降、新規層、古参層で好みが分かれてしまった部分があったが、それがエコーズでまとまっていく様子が見られた
- Switch 向けの新作の開発もあったので、if で 3DS のFEは終わろうと思っていたが、「まだやり残したことがある」「リメイクなら期間的に短くできる」ということで、2015年初夏に「9月までだったら」でOKを出した
- 結局発売日は半年伸びた
- 伸びたついでに「簡体字版」や「繁体字版」を出せたので、広いお客さんに触れてもらえるようになった
- 覚醒、if でやり残したこと
- 3Dマップを歩き回れるダンジョン
- 頭身の高い人間を動かす挑戦(Switch版を見据えて)
- 本当はすべてのマップは3Dで作られていて歩き回れるように作ってある
- RPG のように世界を歩き回ることはできるけど、広げすぎても面倒になる部分がある
- エコーズでは歩くだけで新鮮な驚きをもってもらえるだろうとシンプルにダンジョンのみにした
- 戦闘シーンをカットされないようなモーションの工夫を試行錯誤した
- 例えば
- 攻撃、回避、攻撃の3ステップを攻撃からカウンターのような2ステップに
- 抜刀しながら走る
- 攻撃を横に避ける
- 避けながら攻撃したり弾いたり
- そこに留まらずスッとバトルに入っていけるテンポの良さを目指した
- 外伝をリメイクした理由
- もともとリメイクだけが決まっていた
- 外伝はダンジョンとの相性が良い
- 暗黒竜は何度かリメイクされてたが外伝はされてなかった
- IS から外伝リメイクを提案
- まずは外伝の研究、調査
- IS内にも外伝当時のスタッフがいる
- 当時のチームの雰囲気、ディレクターが言っていたこと、参考にしていたものなどをヒアリング
- 小説など派生作品は水、本編の情報だけを掘り起こし、本質をつかもうとした
- 外伝の核は「男女の物語」「対になっている設定」
- アルムとセリカの喧嘩はよくある男女の喧嘩
- バレンシア全体が対になるものが多い世界に設定されている
- ミラ、ドーマ
- リゲル、ソフィア
- アルム、ベルクト
- セリカ、仮面の騎士
- 外伝では説明書にしか物語が書いてなくてドラマチックさが感じられなかった
- キャラクターの関係性などをしっかり見せた
- フルボイスにしてキャラクターが生きている感じを出した
- システム部分は昔のユーザーにこれぞ外伝と思ってもらいたかった
- 煩わしさ、理不尽さがあるところ以外は残すようにしてる
- 弓の射程、HPを使った魔法など
- 外伝の要素を残すか否かの線引き
- 外伝の天使の指輪は遊びを窮屈にしてしまうので効果を変えた
- 村人ループは残した
- シリーズはこうだって固定化させない方が将来的にも動きやすいから、覚醒、if の流れを崩してエコーズのリメイクに踏み切った
- 結婚が当たり前になるとつまらないので結婚のないFEにも触れてほしかった
- エフィのようなインパクトのある新キャラ
- 昔のキャラではできないアクセント
- ミラの歯車はリセットによるやり直しを簡易化したもの
- フェニックスモードは考えなくても進めてしまう
- 試行錯誤を一手一手できるようになったもの
- ミラの歯車のデザインはアンティキティラ島の歯車をイメージ
インタビュー後編
URL: https://www.ndw.jp/post-1681/
- セリカがもともと王女であることを知っているのは外伝と大きな変更点
- 2章終わりのアルムとセリカの衝突の動機付けをしたかった
- セリカは10歳頃まで離宮にいた設定に変更
- 外伝で説明のなかった各土地は細かく掘り下げた
- 戦争がないのにソフィアが軍事力を保持してる動機付けとしてソフィアの東に海賊の国があった設定を追加
- ソフィアの南の砦が築かれた動機付けになった
- ドーマの塔があそこにある理由とかワールドマップ上のものには一通り解釈を入れてる
- オレンジがたくさんある理由
- バレンシアオレンジ...だから、作物が育たなくなっても不思議とオレンジだけはよく育つ
- 回復床は回復する動機として栄養補給のためのみかんを置くことにした
- 背景デザイナーがそれにのって村にみかんを置いてしまった
- ソフィア城にみかん箱があるのは、ドゼーがソフィア城に籠城するときに備えてみかんを備蓄として置いていた
- 幼少時代の描写を入れた理由
- 外伝では2章のセリカが突然出てきて誰これ?って思ったから、まずはアルムとセリカの絆を描いた
- スレイダーの出世
- 外伝ではドゼーを倒したときに印象的な台詞を言って二度と登場しなかった
- 序盤の話を引っ張る悪役としてちょうどよかった
- ドゼーの配下であるのも都合がよかった
- 貴族社会を描くためのキャラクター設定
- クレアはだいぶ外伝と変えた
- 家に立派な後継者であるクレーベという兄がいるクレアはゆるく育てられただろうという解釈で設定されてる
- 見た目もクレーベありき
- 最近のファンタジーでは王族が一般人とわけへだてなく接するタイプが当たり前になってる
- 現代のお客さんに共感しやすくするためだが、本当はそれはおかしい、2代くらいで滅びる
- 今作ではちゃんと貴族の縦社会、平民と貴族の線引きを描こうとした
- 各キャラクターの掘り下げ方
- タイプが偏らないよう分散させている
- キャラ設定、立ち絵、顔グラの雰囲気、台詞から感じられるものを誇張した
- レオも原作だと二言くらいしか台詞がないが、セリフと後日談を見て広げていった
- キャラデザ担当の左さんから提案してもらったものも多い
- 仮面の騎士について
- FEと言えば仮面キャラだろというのがあった
- バットマンライジングで「愛するものを守りたいなら、仮面をつけろ」って言うシーンがあり、そういうのを教える人にしたかった
- エフィとアルムはどうなるんだろうに対して、セリカもちょっと素敵なキャラクターの位置づけを用意
- 仮面をとったときのギャップも新キャラなら楽しんでもらえるかな
- 大河の非情さを担う新キャラ・フェルナン
- 戦記物、大河ドラマの非情さは思い通りにいかないところでもある
- フェルナンはそういう部分を担ってる
- フェルナン、ベルクトも貴族主義という立場からの思いや尊厳がある
- それぞれの立場で正しいことをやろうとして、結果的にぶつかる
- アルムが左利きになった理由
- ポーズのバリエーションを増やすため
- 力でねじ伏せる覇王のイメージ
- かのアレクサンドロス3世も左利きだからそのイメージにあわせた
- 右利きのセリカとの聖痕対比もうまくできた
- アカネイア大陸の登場と関係性
- 外伝ではアルム軍とセリカ軍が合流して終わってしまう
- アルム軍とセリカ軍合流後の高難易度ダンジョンを用意したかった
- ポケモン金・銀でカントー地方にいけた感動がすごかったので、そういうのを味わえるものにしたかった
- 樋口氏からアカネイアキャラを出さなければOKと許可が出た
- いきなりマルスが出てきたりするのは違うので、本作ではそっとしておきたかった
- テーベの塔というマップしか登場してない古代都市がちょうどよかった
- もうひとりの英雄王とは
- リメイクを現す言葉として「エコーズ」
- 今後もリメイクタイトルにエコーズとつけるのもいいかなと考えていた
- 差別化のためにもうひとつサブタイトルが必要だった
- 外伝はマルスに対して裏主人公アルムの話だった
- マルスにしか使われない英雄王、アルムにもうひとりの英雄王とした
- 「外伝」と年表の年代が違うのは?
- バレンシアはドーマとミラが興した大陸で、彼らの支配力が強いとなると、アカネイアの年号を使おうとはせず、独自の年号をつくるだろうと考えたため
- メインテーマ「アルカディアの継ぎびと」に綴られている想い
- ミラの死と再生がイメージ
- 神の時代を人の手で終わらせ、神々から継いでいくことを歌詞にのせている
- ミラがバレンシアを継いだ人間に向けて歌ってるイメージ
- 作詞は草木原氏
- 金崎氏の作った曲のメロディに文字数を合わせて書いた
- FEHとの違い
- FEH ではエフィがアーチャーだった
- FEH でエコーズより前に配信しちゃうとそれが正解だと思われかねないから、エコーズで選べない兵種にした
- FEH に弓キャラがほしかったという事情もある
- エフィの名前の由来は FE ではない。単に村娘としてイメージにあいそうな名前を検討した結果
- 覚醒とのつながりについて
- 強くは推してないが、未来の状況から過去でもつながりが見えた方がひとつの世界として成り立つと思い、端々にそういう要素は入れてる
- フリアの港もフェリアの港と少しつなげてある